野村Webローンと代用FXはどちらがよい?|担保2,000万円の試算

当ページのリンクには広告が含まれています。
担保2,000万円で試算 野村Webローン vs 代用FX 分岐点は1日約3.2円

野村Webローンも代用FXも、持っている株式・ETFを売らずに担保にして、資金を動かせる仕組みです。 この記事では、担保2,000万円で、2つを同じ金額で比べます。

たとえば、野村Webローンで500万円(担保の25%)を借りて、年4%で運用できたとします。金利2.65%を引くと、1年で残るのは6.75万円です。 同じ500万円分を代用FXのメキシコペソ円で持つと、スワップだけで年約23.5万円です。

この差がなくなるのは、スワップが1日11円(1万通貨あたり)から約3.2円まで、約7割下がったときです(税引前の比較です)。 ただし、代用FXには為替の値下がりとロスカット(強制決済)があります。この記事では、そこも数字で見ていきます。

筆者(元税務署職員・FP2級)は、野村Webローンを契約せず、代用FXをレバレッジ2倍までで使っています。

✅ この記事でわかること

  • 野村Webローンと代用FXの違い
  • 借入500万円・1,000万円の野村Webローンと、同じ金額の代用FXの1年の差
  • スワップがいくらまで下がると、野村Webローンのほうが多く残るか。
  • 追証とロスカットは、どこから起きるのか。
  • 野村Webローンのほうがよくなる場面

インデックス投資の次に何を足し、出口までどうつなげるかを、6章の順番で通して読めるようにまとめたnoteマガジン「インデックス投資の次の一手」があります。

目次

野村Webローンと代用FXの違い

どちらも、持っている株式・ETFを担保にして、売らずに資金を動かします。違いは、担保で何をするかです。

野村Webローン代用FX
担保で何をするかお金を借りるFXの取引をする
手に入るもの借りたお金(運用などに使う)通貨の金利差から毎日受け取れるスワップ
かかるコスト借入の金利(変動。2026年10月15日から年2.65%)借入の金利はない(売買の価格差であるスプレッドは別にかかる)
担保が足りなくなったとき担保の価値が下がると、新たに借りられなかったり、担保を売られたりすることがある証拠金維持率が下がると、追証(追加で入れるお金)やロスカット(強制決済)になる

野村Webローンの金利と、借りた場合の5年間の試算は、こちらに書いています。

代用FXとNISAのリターン比較は次の記事で紹介しています。

比べる条件

  • 担保:2,000万円の株式・ETFです。
  • 野村Webローン:担保の25%の500万円と、50%の1,000万円を借りる場合で比べます。金利は年2.65%(2026年10月15日から)です。借りたお金は、年4%で運用できると想定します。
  • 代用FX:メキシコペソ円(MXN/JPY)の買いです。レートは1ペソ8.54円、買いスワップは1万通貨あたり1日11円(10月20日付与分の予定)とします。株式の評価額の70%が証拠金になり、必要証拠金は建玉(持っている通貨の合計額)の4%です。
  • 代用FXの金額:野村Webローンの借入額と同じ、500万円分と1,000万円分で比べます。筆者の上限であるレバレッジ2倍(有効証拠金の2倍の建玉)の2,800万円分も、参考に足します。
  • 比べる対象:多額の担保を置いて、代用FXの建玉を有効証拠金の2倍までにする場合と、野村Webローンです。少額でレバレッジを高くかける取引は比べません。
  • 税金:どちらも利益には20.315%がかかるので、税引前で比べます。

運用の4%は仮定の計算例で、この利回りを見込めるという意味ではありません。レートとスワップは変動します。数字は2026年10月の例です。

下の図は、借入500万円と、同額の代用FX500万円分で並べた条件です。

担保2,000万円で、同じ500万円分を動かす条件の比較。野村Webローンは500万円を借りて、金利2.65%・運用4%の仮定で、1年の差し引きは年6.75万円。代用FXは証拠金1,400万円のうち500万円でペソ円を買い、スワップ年4.70%で、1年の受け取りは年約23.5万円。

スワップの年利回りは、次のように計算します。

  • 1万通貨あたり1年のスワップ:11円×365日=4,015円です。
  • 1万通貨の金額:8.54円×1万通貨=85,400円です。
  • 年利回り:4,015円÷85,400円=4.70%です。

野村Webローンと代用FXの1年の差し引きを比べる

スクロールできます
年(税引前)野村Webローン 借入500万円野村Webローン 借入1,000万円代用FX 500万円分代用FX 1,000万円分代用FX 2,800万円分(レバレッジ2倍)
収入運用4%で20.0万円40.0万円スワップ4.70%で23.5万円47.0万円131.6万円
金利2.65%で13.25万円26.5万円なしなしなし
差し引き6.75万円13.5万円23.5万円47.0万円131.6万円
担保2,000万円に対して0.34%0.68%1.18%2.35%6.58%
  • 代用FXのほうが、1年で残る金額は大きい計算です。ただし、これはスワップだけの数字で、為替の値動きによる損益は入っていません。野村Webローンの側も、借りたお金の運用が4%になる保証はありません。
  • 野村側の4%は、価格が上下する運用の想定で、代用FX側のスワップは、為替の損益を含まない受け取りです。性質の違う数字を並べているので、1年の差し引きは目安として見てください。
  • この比較は税引前です。借入の利子を税金の計算で差し引けるのは、株式を売った年の分だけなので、利子を差し引けない年は、野村Webローンの税引後の残りは少なくなります。税引後で比べると、利子を差し引けない年は分岐点が約1.6円まで下がり、差し引ける年は税引前と同じ約3.2円です。

代用FXのスワップはいくらまで下がると、野村Webローンと同じになるか

円金利の上昇で、スワップは減ってきている

スワップは、2つの通貨の金利差から生じます。円の金利が上がると、メキシコペソとの金利差が縮み、買いスワップは減ります。 実際に、筆者が受け取るスワップの額は、円金利の上昇で減ってきています。(また、円金利の上昇によって円の価値が上がっているとなると、為替差損も生じる可能性があります。)

では、どこまで減ると、野村Webローンのほうが多く残るのでしょうか。

分岐点は、1日約3.2円

野村Webローンで1年に残るのは、運用の利回りから金利2.65%を引いた分です。想定を4%とすると、1.35%です。 代用FXのスワップの利回りが1.35%を下回ると、野村Webローンのほうが多く残ります。

1.35%をスワップの日額に直すと、次のとおりです。

  • 1万通貨あたり1年のスワップ:85,400円×1.35%=1,153円です。
  • 1日あたり:1,153円÷365日=約3.2円です。

借入が500万円でも1,000万円でも、代用FXの金額を同じにすれば、この分岐点は変わりません。変わるのは金額です。

野村Webローンの運用の想定を変えると、分岐点は次のように動きます。

野村Webローンの運用の想定残る利回り(金利2.65%を引いた後)分岐点のスワップ(1万通貨・1日)今の11円からの減り方
3%0.35%約0.8円約93%減
4%1.35%約3.2円約71%減
5%2.35%約5.5円約50%減

スワップの日額と、年利回りの対応は次のとおりです。

スワップ(1万通貨・1日)年利回り野村Webローン(運用4%)の1.35%と比べて
11円4.70%代用FXが多い
9円3.85%代用FXが多い
7円2.99%代用FXが多い
5円2.14%代用FXが多い
約3.2円1.37%ほぼ同じ
2円0.85%野村Webローンが多い
メキシコペソ円のスワップは1日11円で年利回り4.70%。約3.2円まで下がると、野村Webローン(運用4%、金利2.65%)で残る1.35%と同じになる。

ペソ円が下がると、スワップを上回る損が出る

ここまでは、スワップだけの比較でした。代用FXでは、為替が動くと損益が出ます。

500万円分のメキシコペソ円を持っているとき、ペソ円が4.7%下がると、含み損は約23.5万円です。これは、1年分のスワップと同じ額です。 10%下がれば含み損は50万円で、スワップ約2年分に当たります。

野村Webローンも同じです。借りたお金で買った株式やETFが下がれば、損が出ます。そのうえで、金利は払い続けます。

代用FXの追証とロスカット

株式だけで運用してきた人には、追証とロスカットはリスクが大きく感じられるかもしれません。用語についても簡単に整理しておきます。

株式や投資信託だけで運用してきた方には、なじみの薄い話だと思います。自分の資産に当てはめて整理したい方は、ココナラで30分の壁打ち(3,000円)を受け付けています。何を買うか、どれだけ持つかをお勧めするものではなく、仕組みと考え方を一緒に整理するサービスです。

追証とロスカットとは

代用FXでは、「証拠金維持率」という数字で、余裕を見ます。

証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100

  • 有効証拠金:担保にした株式の評価額の70%に、FXの含み損益を足した額です。
  • 必要証拠金:建玉の4%です。

DMM FXでは、次のように決まっています。

  • 追証:維持率が100%を下回った状態で、営業日のクローズ時を迎えると、追加でお金を入れる必要が出ます。解消の期限は翌営業日の朝で、期限までに解消できなければ、FXの取引が強制的に決済されます。
  • ロスカット:維持率が50%を下回ると、FXの取引が強制的に決済されます。急な値動きでは、50%を大きく下回る水準で決済されることがあり、預けた額を超える損失になる可能性もあります。

追証を解消できなかった場合に強制決済されるのは、FXの取引です。DMM FXにおいては、担保にしている株式が、強制的に売られることはありませんが、強制決済になれば、その時点のFXの損失は確定します。

また、代用FXでは、為替が動かなくても、担保の株価が下がるだけで維持率は下がります。 野村Webローンでも、担保の価値が下がれば似たリスクがあります。

担保2,000万円で、どこまで下がると起きるか

担保2,000万円の有効証拠金は1,400万円(2,000万円×70%)です。ここから、建玉の大きさごとに見ます。

スクロールできます
建玉必要証拠金維持率(最初)株式だけが下がってロスカットペソ円だけが下がってロスカット
500万円20万円7,000%約99%下落ならない(ペソ円がゼロになっても損失は500万円)
1,000万円40万円3,500%約99%下落ならない(ペソ円がゼロになっても損失は1,000万円)
2,800万円(レバレッジ2倍)112万円1,250%約96%下落約48%下落

建玉が500万円、1,000万円なら、株式だけ、またはペソ円だけが下がる場合は、ロスカットになりません。両方が同時に下がる場合は別です。 レバレッジ2倍の2,800万円では、株式が動かなくても、ペソ円が約46%下がると追証、約48%下がるとロスカットです。

担保2,000万円で建玉2,800万円(レバレッジ2倍)のとき、ペソ円が約46%下がると追証、約48%下がるとロスカットになる。

株式とペソ円が同時に下がったら(レバレッジ2倍)

ここでは株式とペソ円が同時に下がる場合を3つ想定しておきます。レバレッジ2倍(建玉2,800万円、必要証拠金112万円)のときです。

ケース株式分の証拠金(含み損を引く前)為替の含み損維持率
株式−20%、ペソ円−20%1,120万円−560万円500%
株式−30%、ペソ円−30%980万円−840万円125%
株式−30%、ペソ円−45%980万円−1,260万円含み損を引くと有効証拠金がマイナス。その前にロスカット

計算は、株式分の証拠金=1,400万円×(1−株式の下落率)、含み損=2,800万円×ペソ円の下落率、維持率=(株式分の証拠金−含み損)÷112万円です。

メキシコペソ円は、2007年6月の11.512円から2020年4月の4.28754円まで、13年近くかけて62.76%下げました。2つ目のケースは、まだ追証にはなりません。3つ目の下落は、この期間の下落の7割ほどです。 筆者の運用では、建玉を有効証拠金の2倍までにしています。

筆者の代用FXの実績は、毎月こちらで公開しています。

野村Webローンのほうがよくなる場面

ここまでの比較は、多額の担保で、建玉を有効証拠金の2倍までにする代用FXの場合です。この条件でも、野村Webローンのほうがよくなる場面もあります。

  • スワップが分岐点を下回るとき:想定4%なら約3.2円です。円金利の上昇が続けば、近づく可能性があります。
  • ペソ円だけが大きく下がるとき:含み損が、受け取るスワップを上回ります。
  • 代用FXを使っていない人:FX口座を開く手間と、維持率を自分で見る必要が出ます。野村Webローンは、金利を払って借りるだけの仕組みです。

筆者の判断|野村Webローンより代用FX

筆者は、野村Webローンを契約せず、代用FXを使っています。レバレッジは2倍までです。理由は次の3つです。

  • 借入の金利を払う必要がありません。金利が上がって、払う額が増えることもありません。
  • スワップで得たお金は、ETFの買い増しに回しています。再投資を複利で回せば、リターンは大きくなると考えています。
  • 借金を負うことのリスクを取りたくありません。

スワップは円金利の上昇で減っていて、野村Webローンに並ぶ分岐点に近づく可能性はあります。

代用FXをしていなければ、野村Webローンを使う価値があるかもしれません。 私は、担保の価値が下がったときの備えと、自分で決めたルールを守ることを前提にしています。

まとめ

  • 担保2,000万円、野村Webローンの借入500万円(運用4%)と、代用FX500万円分では、1年で残る額は6.75万円と約23.5万円です。
  • スワップが1日11円から約3.2円まで下がると、野村Webローンに並びます。
  • レバレッジ2倍の代用FXは、ペソ円が約46%下がると追証、約48%下がるとロスカットです。
  • 野村Webローンのほうがよいのは、スワップが分岐点を下回るとき、ペソ円だけが大きく下がるとき、代用FXを使っていない人です。
整理された手順で知りたい方へ

インデックス投資に何を足し、出口までどうつなげるかを、noteのマガジン「インデックス投資の次の一手」(全6章)にまとめています。

自分の場合に当てはめて整理したい方へ

ココナラで、考え方を一緒に整理するサービスを受け付けています。
※ 税額の計算や個別の税務相談ではありません。

黒いジャケットを着た優しい表情の男性イラスト(当ブログの著者アイコン)
元税務署FP おてぴ

元税務署職員・FP2級。投資歴は10年以上で、インデックス投資と高配当株ETFを中心に運用しています。保有株を担保にする「代用FX」も、低いレバレッジで続けています。
このブログでは、投資商品や口座の選び方を税金の扱いまで含めて比べ、自分がどうしたかを書いています。運用実績は毎月公開しています。

▼ Xで最新の投資メモを見る
運用の気づきや更新情報を発信しています。

▼ 運用実績を見る
投資信託・ETFと代用FXの実績を毎月まとめています。

▼ 運営者プロフィール
筆者の投資歴や投資スタイルを紹介しています。

目次