完全ガイド
メニュー

NISAは利益が非課税な点がメリットです。
しかし、特定口座で運用する商品の期待利回りが十分に高い場合は、課税を考慮しても特定口座の方が有利になることがあります。
この記事では、次の点について分かりやすく解説していきます。
NISAで年利4%の商品を持つ場合、利益は非課税なので手取り利回りもそのまま4%です。
一方、特定口座では利益に約20.315%の税金がかかるため、税引き後の利回りは次のようになります。
「特定口座の税引後利回り」
=「税引前利回り」 × 0.79685
そのため、NISAで年利4%よりも特定口座が有利になる条件は、次のように算出できます。
特定口座の利回り × 0.79685 > 4.0%
→ 特定口座の利回り > 約5.02%
つまり、NISAで4%の商品を持つなら、特定口座の商品は税引前で約5.02%以上の利回りがないと、税引後では上回れません。
たとえば、次の商品はどちらが手元に残るお金が多いでしょうか。
一見すると特定口座の方が高く見えます。
しかし、先述の通り特定口座は約20.315%の税金が引かれるので、税引後はおよそ3.98%になります。
この場合、実際の手取りではまだNISAの4.0%に届きません。
逆に、特定口座の商品が5.1%なら、税引後は約4.06%となり、NISA4.0%を上回ります。
先ほどの考え方で、NISA4%・7%・10%の利回りに対する特定口座での損益分岐点を確認していきましょう。
| NISAの年利 | 1年 | 5年 | 10年 |
|---|---|---|---|
| 4% | 5.02% | 4.93% | 4.83% |
| 7% | 8.78% | 8.52% | 8.27% |
| 10% | 12.55% | 12.05% | 11.61% |
まずは1年で見てみましょう。NISAの年利を高く想定しているほど、もちろん特定口座での年利もより高い商品を運用する必要があります。
次に5年、10年を1年のときと比較してみましょう。
無分配の投資信託など、最後に売却するときだけ課税される商品では、税金が毎年発生するわけではないので、保有期間が長くなるほど損益分岐点は少しずつ下がります。
この表から次のことが分かります。
ただし、分配金や配当により毎年課税される部分がある商品では、複数年運用しても損益分岐点が上記ほど下がりません。
課税の繰り延べ効果を具体的に計算してみていきます。(今回は単純計算)
1年では、5.0%という利回り差だけでは、特定口座の税負担をまだ打ち消し切れません。
でも5年になると、特定口座は税金を最後まで払わずに5.0%で複利運用できるので、課税の繰延べ効果が効いていることが分かります。
大事なのは、税金をいつ払うかです。
無分配の投資信託などは、運用中に税金を払わず、最後の売却時にだけ利益へ課税される形になります。
この場合、運用中は税引前ベースで複利が回るため、課税の繰延べ効果が生まれます。
分かりやすく言うと、税金を後回しにできるぶん、運用中はそのお金も含めて増やせるわけです。
その結果、長く持つほど特定口座側の不利が少しずつ小さくなります。

長期で持つなら、特定口座でも意外と不利ではないの?
売却時のみ課税される商品なら、税金分の不利が少し縮まるということです。課税される税金分NISAが有利であること自体は変わらないので、期待利回りや商品特性まで含めて比較することが大切です。
ここまでの損益分岐点を踏まえると、商品によって向き不向きが見えてきます。
NISA向きなのは次のような商品です。
特定口座を検討すべきなのは、期待利回りの差が税負担を上回りやすく、かつ損失時の扱いも考慮したい商品です。
具体的には、次のような商品が候補になりやすいです。
たとえば、NISA側の候補が年利4%程度で、特定口座側の候補が長期で年利5%を超えるなら、税引後でも特定口座が優位になる可能性があります。
NISAが使えず、特定口座での運用になる商品は例えば次のようなものがあります。(銘柄紹介の記事になります)
さらにいうと、利回りが高い=必ず特定口座向きではないこともポイントです。値動きや保有期間、配当の有無まで含めて考える必要があることに注意しましょう。
また、NISAでは利益が非課税になる一方で、損失が出ても損益通算や繰越控除ができません。
逆に特定口座では、一定の条件のもとで損益通算や繰越控除が使えます。
つまり、値動きの大きい商品(大きく上がれば利益、大きく下がれば損失)のような商品は、損失時の扱いも含めると特定口座の合理性が出る場合があります。
特定口座の上手な使い方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。


ここまで読んでも、実際には「自分の場合はどう考えればいいの?」と迷うと思います。
そんなときは、次の順番で考えると整理しやすいです。
最初に、NISAで持つ候補商品の期待利回りをざっくり決めます。
たとえば、
といった形です。
ここでは厳密な数字を当てる必要はありません。
比較の基準を決めることが大切です。
次に、特定口座で持ちたい商品の期待利回りが、損益分岐点を超えるか確認します。
この基準を超えられないなら、単純な税引後比較ではNISAの方が有利です。
最後に、値動きの大きさや損失時の扱いを加味します。
ここを省くと、表面上の利回りだけで判断してしまい、実際には合わない商品をNISAへ入れてしまうことがあります。
こういった商品は、特定口座の方に分がある場合があります。
ざっくりと次のようなことを紹介してきました。
NISAが有利か、特定口座が有利かは制度だけでは決まるものではありません。
まで含めて判断することが大切です。
特定口座で運用したい商品がある場合には、それを最大限活用する方法もあります。
資金効率を最大限上げたい場合には、次の記事も読み進めましょう。




投資歴は10年以上。現在はインデックス投資・高配当株ETFを中心とし、これら保有株を担保に使う「代用FX」で資金効率を高める投資を自ら実践。初心者の方にも分かりやすく、仕組みとリスクを丁寧に解説していきます。
▼ Xで最新の投資メモを見る
運用の気づきや更新情報を発信しています。
▼ はじめての方へ(ブログの読み進め方)
投資スタイルとおすすめの読み進め方をまとめました。