インデックス投資を続けていると、いずれ必ず暴落に直面します。
それは失敗でも、あなたの判断ミスでもありません。
むしろ、暴落は長期投資を続ける上で支払う“コスト”のようなものです。
怖いのは当然ですが、長期投資において本当に痛いのは、暴落そのものではなく
- 感情で売ってしまう(狼狽売り)
- 積立を止めてしまう(安い時期の購入を放棄)
- 自分のルールを捨ててしまう(判断軸を喪失)
この3つです。
この記事では、暴落時に起きる心理を言語化しつつ、「次に暴落が来ても迷わない軸」を作るために、
- 暴落時に不安になる理由
- 絶対にやってはいけない行動
- 長期投資家としての正解行動
- 暴落に耐えられる人が事前にやっていること
を、初心者にも分かる言葉で整理します。この記事のゴールは、
“市場の予測”ではなく、“自分の規律”で動ける状態になること。
インデックス投資において暴落は「異常」ではない
暴落は長期投資の「コスト」である

暴落することあるなら、インデックス投資って危ないんじゃない?
インデックス投資が危ないのではなく、価格変動(暴落)を受け入れないまま投資していることが危険です。
株式市場は短期的には大きく上下します。でも、インデックス投資は「短期の上下」を当てに行く投資ではなく、世界経済(あるいは米国経済など)の成長に便乗する投資です。
- 上がる年もある
- 下がる年もある
- それでも長期では成長してきた
この“波”を引き受ける代わりに、長期のリターンを取りに行きます。つまり暴落は「例外」ではなく、長期投資に最初から含まれているイベントと考えるべきです。
過去の暴落と回復の歴史が示すもの
株式市場には、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなど、複数の大きな下落がありました。
そのたびに市場は大きく揺れましたが、市場そのものは消えていません。
ここで大事なのは、
- いつ暴落するかは誰にも分からない
- しかし「暴落が起きること」自体は確実
という点です。
そして長期投資家が見るべきなのは、暴落の回数ではなく、市場に居続けたかどうかです。
暴落は「投資の失敗」ではなく、「投資のイベント」
暴落時に人が必ず陥る心理と、その正体
なぜ暴落時に「売りたくなる」のか



分かっていても、怖くて怖くてたまらん!!売りたくなります。
それは正常な反応です。
人間には「損失回避バイアス」があり、
- 得する喜びより
- 損する痛みを強く感じる
ようにできています。
だから暴落時には、頭では「長期なら大丈夫」と分かっていても、心が「今すぐ逃げたい」と思い始めます。
ここで重要なのは、感情をゼロにすることではなく、感情が湧くことを前提に、行動を間違えない仕組みを持つことです。
「怖い=売る」ではなく、「怖い=ルール確認」に置き換える。
SNS・ニュースが恐怖を増幅させる理由
暴落局面では、
- 「まだ下がる」
- 「今回は違う」
- 「もう終わりだ」
といった情報が溢れます。
しかし、これは市場の本質ではなく、集団心理の反映です。
短期ノイズに触れ続けるほど、
自分の感情が“他人の恐怖”に引っ張られ、冷静さが削られます。
だからこそ「情報の取り扱い」も投資戦略の一部です。
暴落時に絶対にやってはいけない行動
感情的な狼狽売り
暴落時に最も避けるべき行動が、
感情での売却(狼狽売り)です。
歴史的に見ると、
- 暴落時に売った人ほど
- その後の回復を取り逃しています
売却は「楽になる行動」に見えますが、長期では最もコストの高い選択になりやすい。
なぜなら、売った瞬間に
- 損失が確定し
- 回復の恩恵から降りてしまう
からです。



じゃあ、売るのは一生ダメなん?
基本は売らない。
ただし、例外はあります。
それは「生活資金が足りない」「投資方針自体が変わった」など、
ルール上の理由があるときです。
感情の理由で売るのがNG、というだけです。
積立の停止・様子見
「落ち着くまで待つ」という判断も、実はリスクのある行動です。
積立を止める=
安い局面で買う機会を自ら捨てることになります。
積立の強みは「判断しなくていい」こと。
暴落時こそ、その強みを捨てないのがコツです。
底値当て・一括勝負
「ここが底だ」と判断できる人はいません。
底値を狙う行為は、長期投資では
- 当たらないストレス
- 外れた時の後悔
- 追加判断の連鎖
を生み、メンタルを削ります。
“当てに行く”ほど、投資がギャンブルに近づく。
長期投資家は、当てに行かずに勝ちに行きます。
暴落時にインデックス投資家が取るべき正解行動
基本は「何もしない」



結局、暴落時は何をすればいいんよ
インデックス投資において、多くの場合は何もしないのが正解です。
- 積立は継続
- 売らない
- ルールを変えない
この“当たり前”を守れる人が少ないからこそ、
守れた人が平均以上の結果になります。
ドルコスト平均法が暴落で最強になる理由
定額積立は、
- 高いとき:少なく買う
- 安いとき:多く買う
という仕組みを自動で実行します。
暴落で価格が下がると、同じ金額でも口数を多く買える。
つまり、暴落は“損”ではなく、将来のリターンの種を多く仕込める時期でもあります。
もちろん、暴落は怖い。
でも、積立投資は「怖い中でも動ける仕組み」です。
ポイント
よくあるQ:「暴落時、いっぱい買えるんだから積立額を増やした方がいいよね?」
“増やせる余裕があるなら”アリですが、
個人的に、投資初心者においておススメしません。
基本的には底や頂点が分からないからインデックス投資に資金を割いているのであって、暴落時の判断(どこまで落ちるのか)ができないからです。
暴落時の増額をするとしても、焦って増額しないのが大事です。
当事者となると、暴落は非常に長い。
平時に「増額するならこの程度でこの金額」と決めておくようにしましょう。
※ここで一つ補足です。インデックス投資は強力な一方で、「下落局面では基本的に“待つしかない”」という弱点もあります。暴落時のストレスや資金効率の悪さが気になる人は、
も参考になります。「FX=危険」というイメージを一度分解して考える材料としておすすめです。
リバランスという唯一の能動的行動
事前に決めている場合に限り、リバランスは有効です。
リバランスは、
- 上がりすぎた資産を少し売り
- 下がった資産を少し買う
という、逆張りをルールとして実行する行動。
感情ではなく、比率で淡々と動けるのが強みです。
ただし、暴落中に突然リバランスを思いつくと、
余計に迷いやすいので注意。
- 年1回
- 目標比率から○%ズレたら
など、平時に決めたルールで運用するのが安心です。
暴落に耐えられる人が“事前に”やっていること
余裕資金で投資している
暴落時に売らされる最大の理由は、
生活資金まで投資していることです。
- 生活防衛資金は別
- 投資は余裕資金のみ
この分離が、メンタルの安定を作ります。
「暴落が怖い」は、突き詰めると
“生活が揺らぐかもしれない不安”であることが多いです。
だから最初に作るべきは、
チャートに強い心ではなく、
売らなくていい投資設計です。
リスク許容度は「金額」ではなく「率」で決めている



100万円運用していて20%下落すると、20万円も損しちゃう・・・
資産が増えるほど、金額思考は必ず限界が来ます。
例えば、資産が大きくなると1日の変動が「月給以上」になることも珍しくありません。
金額で一喜一憂していると、どこかで必ず心が折れます。
そこで、率(%)での判断基準です。
- 「−10%は日常の範囲」
- 「−20%は想定内」
- 「−30%でも売らない」
こうした率(%)による“許容範囲”を先に決めておけば、次のような行動が取れます。
「これは想定内か?」を確認→想定内なら“何もしない”。
ポイント
よくあるQ:「どうやって率を決めたらいいの?」
紙に書くのが最強です。
- もし −20% になったら、夜眠れる?
- もし −30% になったら、積立を止めたくなる?
- もし −40% になったら、生活は揺らぐ?(=余裕資金が足りてない)
ここで「無理」と感じたなら、投資判断ではなく設計(配分・余裕資金)の見直しが必要です。
「売らない」ためのマイルールを持っている
長期投資家は、
- 原則:売らない
- 例外:投資仮説(前提)が崩れたときのみ見直す
というルールを持っています。
ここでいう「仮説崩壊」は、
指数そのものが崩れるような構造変化や、
自分の人生設計が根本から変わったケースなど。
逆に、
- SNSの悲観
- 一時的な下落
- “今回だけは違う”という空気
は、売却理由にしない。
感情ではなく、条件で判断する仕組みが重要です。
価格等の情報を見すぎない仕組みを作っている
- アプリの通知を切る
- チェック頻度を下げる
これだけでも、不安は大きく減ります。
おすすめは「見る日を決める」こと。
例えば、
- 月1回だけ確認
- 積立設定の確認だけする
のように、目的のあるチェックに限定します。
“確認のための確認”をやめるだけで、心が軽くなります。
短期ノイズは、メンタルを削るだけです。
暴落時は特に、情報が「刺激」になりやすいので、
- 見る媒体を減らす
- 見る時間を減らす
- “断定口調”の投稿から距離を置く
この3つだけでも効果があります。
【レベル別】暴落時の行動指針(一覧表)
暴落時の行動指針を一覧表にしました。ご自身の状況に合わせて参考にしてみてください。
※自分の投資レベルは投資年数ではなく「暴落を何回経験したか」で考えるのがおススメ。
| レベル | ありがちな心理(罠) | やるべき行動(正解) | やってはいけない(地雷) |
|---|---|---|---|
| 初心者 | 初めての下落でパニック。「投資やめたい」 | 退場しない/積立を止めない/情報を遮断/売らない理由を1行で書く | 狼狽売り/積立停止/SNSで答え探し |
| 中級者 | 「前回は戻った」→過信。SNSやXの成功体験に影響されやすい | 資産配分を再点検/余裕資金の確認/(ルール通り)リバランス | 集中投資の継続/レバを増やす/“今回も同じ”思考 |
| 上級者 | 変動額が巨大で精神的圧が強い。慢心も出る | 率で見る習慣/ルール再確認/情報遮断の徹底/判断は24時間寝かせる(必要なら分割で対応) | ルール逸脱/短期ヘッジの乱用/感情で大きく動く |
※表が難しく感じた人は、ここだけ読めばOKです。
初心者向け:今日やることは「3つだけ」
- 積立は維持(止めない・変えない)
- 売らない(売る理由が“感情”なら保留)
- 情報を遮断(ニュース・SNSを見ない)
中級者向け:やることは「強化」
中級者が強いのは、予測が当たるからではなくルールを強化できるからです。
- 資産配分の偏りをチェック(集中・レバが増えていないか)
- 余裕資金(生活防衛資金)が減っていないか
- リバランスは“予定どおり”に(思いつきでやらない)
上級者向け:勝ち筋は「規律」
資産が大きいほど、暴落の敵は相場ではなく自分の感情になります。
- 損益は金額ではなく率で見る
- “いつもの自分”に戻すために、チェック頻度と情報量を減らす
- 大きな判断が必要なら、一括で決めず分割してタイミングリスクを下げる
暴落時チェックリスト(保存版)
迷ったら、まずこれだけ確認してください。
- 積立は止めていないか(止めない・変えない)
- 生活防衛資金は確保できているか(売らされないための土台)
- 感情で売ろうとしていないか(怖い=ルール確認)
- 事前に決めたルール通りか(許容%の範囲内か)
追加で、余裕があればこの2つ。
- 価格チェックが“クセ”になっていないか
- 情報を浴びすぎていないか
迷ったら、このチェックリストに戻るだけでOKです。
まとめ|暴落を乗り越えた人だけが得られるもの
暴落は誰にとっても怖いものです。
しかし、
- 市場に居続けた人
- 規律を守った人
だけが、長期のリターンを手にしてきました。
暴落は「失敗」ではなく、長期投資家としての通過点です。
暴落時は、頭で勝つのではなく、仕組みで勝つ。
次に暴落が来たとき、この記事があなたの判断基準になれば幸いです。
ここまで読んで、「インデックス投資だけで本当に十分なのか?」と感じた人もいるかもしれません。
実際、長期の資産形成をインデックス投資で行いながら、補助的に高配当株やFXを使うという考え方もあります。これは短期で儲けるためではなく、
- 相場の上下どちらにも対応できる
- 暴落時の“何もできないストレス”を減らす
という目的で使うものです。
👉 インデックス投資の次の一手|株式投資とFXの上手な組み合わせ方
は、その考え方を整理した記事です。
無理に勧めるものではありませんが、
「インデックス投資を軸にしたまま、選択肢を広げたい人」には参考になるはずです。


