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Tracers MSCIオール・カントリー・ゴールドプラスは、全世界株式と金(ゴールド)にそれぞれ100%ずつ投資する、かなり個性的な投資信託です。
一見すると「全世界分散+金」で安定感がありそうに見えますが、実際は先物を活用した分散型レバレッジファンドです。つまり、通常のオルカンと同じ感覚で買う商品ではありません。
この記事では、オルゴルの仕組みをわかりやすく整理したうえで、ゴルプラ・ゴルナス・通常のオルカンとの違いを比較します。
✅ この記事の結論(筆者のスタンスも含む)
Tracers MSCIオール・カントリー・ゴールドプラスは、世界株式と金を組み合わせた分散型レバレッジファンドです。
株式部分は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に連動する投資成果を目指し、日本を含む先進国と新興国の株式に幅広く投資する「全世界株式」がベースです。そこに、金先物などを使ったゴールド投資を重ねるのが最大の特徴です。
通常のオルカンが「全世界株式100%」なのに対して、オルゴルは全世界株式100%+金100%という設計です。
オルゴルがユニークなのは、単純に資金を50%ずつ分けるバランス型ではないことです。
たとえば1万円を投資した場合、一般的なバランス型なら、
のように分けるイメージです。
しかしオルゴルは、先物取引を活用して、
を重ねて持つ設計を目指します。
つまり、1万円の投資で2万円相当の資産に投資する仕組みです。


それってレバレッジ型ってこと?
そうです。ただし、NASDAQ100を2倍にするような単一資産レバレッジではなく、株と金という値動きの異なる2資産を重ねる分散型レバレッジである点がポイントです。
上昇局面では両方が追い風になることもありますが、短期では両方が逆風になることもあります。名前に「オール・カントリー」が入っているので安定寄りに見えますが、値動きは通常のオルカンよりかなり大きくなりうると理解しておきたいです。
オルゴルの基本情報をまとめておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Tracers MSCIオール・カントリー・ゴールドプラス |
| 運用会社 | アモーヴァ・アセットマネジメント(旧 日興アセット) |
| 設定日 | 2026年3月6日 |
| 株式部分 | MSCI ACWI連動を目指す全世界株式 |
| 金部分 | 金先物など |
| 実質的な投資イメージ | 世界株式100%+金100% |
| 信託報酬(税込) | 年0.2519% |
| NISA | 対象外(特定口座などの課税口座を利用) |
重要なのは、新NISAの対象外という点です。つみたて投資枠・成長投資枠のどちらでも買えないため、「新NISAで積み立てるコア商品」として考えることはできません。
オルゴルのメリットは、主に次の4つです。
一方で、デメリットも明確です。
まずは全体像を一覧で確認しましょう。
(2026.3.19追記)
FANG+ゴールドプラス(ETF)も誕生し、一覧表に追加しました。
| ファンド | 株式部分 | 金 | 実質投資イメージ | 信託報酬(税込) | NISA | 位置づけ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| オルゴル | 全世界株式(MSCI ACWI) | あり | 株100%+金100% | 0.2519% | 対象外 | サテライト |
| ゴルプラ | S&P500 | あり | 株100%+金100% | 0.1991% | 対象外 | サテライト |
| ゴルナス | NASDAQ100 | あり | 株100%+金100% | 0.2189% | 対象外 | サテライト |
| 通常のオルカン | 全世界株式(MSCI ACWI) | なし | 株100% | 0.05775%前後 | 対象 | コア |
| iFreeETF FANG+ゴールド(521A) | NYSE FANG+ | あり | 株100%+金100% | 0.825% | 対象外 | サテライト |
見ての通り、通常のオルカンだけが、
という王道の条件を満たしています。
一方で、オルゴル・ゴルプラ・ゴルナスは、どれも「株100%+金100%」のゴールドプラス系です。
違いは、株式部分が全世界か、S&P500か、NASDAQ100かにあります。
商品選びで気になるのは、「結局どれがどのくらいリターンを得られて、どれくらい下がりうるのか」という点です。
そこで、各商品の特設ページや関連資料に掲載されているリターン・リスク・リターン/リスク・最大下落率を整理すると、次のようになります。
| ファンド | 参照データ | リターン | リスク | リターン/リスク | 最大下落率 |
|---|---|---|---|---|---|
| オルゴル | 1999年12月末〜2025年12月末のシミュレーション | 16.8% | 23.0% | 0.73 | -59.6% |
| ゴルプラ | 2002年12月末〜2022年7月末のシミュレーション | 19.8% | 22.9% | 0.87 | -54.6% |
| ゴルナス | 2007年7月末〜2024年11月末のシミュレーション | 25.5% | 26.0% | 0.98 | -54.4% |
| 通常のオルカン(参考) | MSCI ACWI 1999年12月末〜2025年12月末 | 8.0% | 17.8% | 0.45 | -60.8% |
| iFreeETF FANG+ゴールド(521A) | 2014年9月22日~2026年1月30日 | 44.19% | 34.28% | 1.29 | -42.24% |
この表から見えてくる要点は、次の4つです。(※掲載期間が商品ごとに異なるため、厳密な横並び比較ではなく、あくまで公式資料ベースの参考比較)
特に注目したいのは、オルゴルでも最大下落率は-59.6%とかなり大きいことです。「全世界株式+金」と聞くと穏やかに見えますが、実際は株100%+金100%の分散型レバレッジです。通常のオルカンの代用品ではなく、土台は通常のオルカン、攻めるならゴールドプラス系を少額でという考え方が基本になります。
通常のオルカンは、1本で世界中の株式に幅広く投資できる王道ファンドです。信託報酬も低く、新NISAでも使いやすいため、長期積立の中心に置きやすいです。
一方のオルゴルは、同じ全世界株式を含んでいても、金を100%上乗せしています。期待リターンの上振れを狙える反面、値動きも大きくなります。



オルゴルがあれば、通常のオルカンはいらない?
筆者はそうは考えません。オルゴルは面白い商品ですが、土台の役割を任せるのは、信託報酬が低く抑えられており、NISAも利用できるオルカンが優秀と考えているからです。まずは通常のオルカンでコアを作り、そのうえでサテライトとして検討する順番のほうが失敗しにくいと思っています。
ゴルプラは、S&P500+金、ゴルナスは、NASDAQ100+金の組み合わせです。
オルゴルとの違いは、株式部分が全世界株式か、S&P500か、NASDAQ100かという点だけです。
FANG+にゴールドを加えたiFreeETF FANG+ゴールド(521A)については、次の記事で詳しく紹介しており、ゴルプラ・ゴルナスとの違いについてもこちらで比較しています。
筆者は、通常のオルカンをメインに据えているため、サテライトには大きな成長期待を重視しています。
そのため、iFreeETF FANG+ゴールド(521A)をサテライトとして利用しています。
コア資産を作りたいなら、通常のオルカンが第一候補です。
理由はシンプルで、
からです。
まだ資産形成の土台ができていない段階で、オルゴルやゴルナスのような商品に行く必要はないと考えています。
まずは王道を持つ。
そのうえで、余裕があればサテライトを足す。この順番が基本です。
オルゴルが向いているのは、
という人です。
特に「S&P500やNASDAQ100より、全世界株式のほうが自分の性格に合う」「ゴールドも含めて1本で管理したい」と感じる人にとって、オルゴルはかなり面白い候補です。
ゴルプラは、S&P500が好きな人におすすめの商品です。
こんな人には相性がよいです。
「王道米国株を土台に、少し工夫したい」という人向けと言えます。
ゴルナスは、成長期待を重視したい人向けです。
NASDAQ100自体が値動きの大きい指数なので、そこに金を重ねる設計は、面白さがある反面、ボラティリティもかなり高くなります。
ただ、サテライト10%のような範囲で持つなら、ポートフォリオ全体にアクセントを加えるにはちょうどよい、という考え方もできます。
例えば、コアはオルカンで固めるのであれば、サテライト10%でゴルナスを持つほうが、自分のリスク許容度と期待リターンのバランスが取りやすいと感じます。コアの大部分が通常のオルカンなら、日々の値動きに過剰反応しにくく、積立も続けやすいからです。逆に、サテライトを10%程度に抑えておけば、下落時に「ポートフォリオ全体が壊れた」と感じにくく、攻めの枠として割り切りやすい安心感もあります。
ゴルナスについては次の記事で詳しく紹介しています。
📘 投資信託の基礎を深く知りたい方へ(おすすめ書籍)
インデックス投資の判断軸をより具体的に学ぶなら、次の書籍がとても参考になります。(私が投資を始めるに至ったきっかけとなったもので、今でも大切にとっています。)
👉 『投資信託は、この8本から選びなさい。』(著:中野晴啓)
少し古い書籍のため、この書籍に載っている8本を現段階で選ぶというのではなく、どうして投資信託を資産運用の核にするのかが明確になり、この記事の内容とも非常に相性が良いです。
再度、オルゴルが向いている人、向かない人を整理しておきます。
オルゴルに向いているのは、こんな人です。
逆に、次のような人にはあまり向きません。
上記のような特徴がありますが、NISA対象でないからといって、投資対象から外すのは少しもったいないです。
特定口座を使うことで投資効率を上げる方法もあるからです。
次の記事で、特定口座で活用する方法を詳しく紹介しています。


オルゴルは先物取引を活用する仕組み上、新NISAの適格投資信託ではありません。
購入する場合は、特定口座などの課税口座を使うことになります。
NISAで積み立てるメイン商品を探しているなら、通常のオルカンのようなNISA対象ファンドを確認していきましょう。
代わりになるという考え方はおすすめしません。
どちらも全世界株式に触れられる点は共通していますが、通常のオルカンはシンプルな全世界株100%、オルゴルは全世界株100%+金100%の分散型レバレッジで役割が違います。
自分が運用したい資産クラスや、その配分を考えて選ぶべきです。
選び方は、株式部分の好みで整理するとわかりやすいです。
どれもコアではなく、サテライト前提で考えるのが基本と筆者は考えています。
サテライトとしての長期積立なら候補になります。
ただし、直近ではゴールドの上昇は非常に魅力的ですが、値動きはかなり大きいです。
不安があるなら、最初から大きく積み立てるのではなく、ポートフォリオの5〜10%程度に収まる範囲で試すほうが続けやすいと考えています。
オルゴルは、全世界株式と金を1本で重ねて持てる、とてもユニークな投資信託です。
ただし、商品名から受ける印象より、実際はずっと攻めた設計です。
通常のオルカンと同じ感覚で買うと、あとから「思ったより値動きが大きい」と感じる可能性があります。
だからこそ、基本スタンスはシンプルで
この順番で考えると、メンタル的には安心して運用できます。
まずはコア資産を整え、そのうえでサテライトとして使う価値があるかを検討してみてください。
インデックス投資の基本を次の記事でまとめています。インデックス投資に不安を感じるようになってきたら読み返すようにしましょう。


株式を利用して資産運用の効率化・加速を図りたい人は次の記事を見ておきましょう。




投資歴は10年以上。現在はインデックス投資・高配当株ETFを中心とし、これら保有株を担保に使う「代用FX」で資金効率を高める投資を自ら実践。初心者の方にも分かりやすく、仕組みとリスクを丁寧に解説していきます。
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