「インデックス投資は正解」と分かっているのに、不安になる。
暴落のニュースを見ると、
- このまま続けて本当に大丈夫なのか
- 自分だけ失敗するのではないか
- もっと効率の良い投資があるのではないか
そんな気持ちになったことはありませんか?
結論から言うと、インデックス投資で失敗する人の原因は“商品”ではなく“行動”です。
本記事では、
- インデックス投資でよくある不安の正体
- 実際に多い失敗パターン(3類型)
- 行動経済学の視点から見た回避策
- “続けた人”が次に選べる投資の選択肢
を体系的に、そして筆者の経験も踏まえて解説します。
すでにインデックス投資を続けている方が、「不安に振り回されず、資産形成を最後までやり切る」ために、ぜひ最後までご覧ください。
まず押さえる:インデックス投資の「勝ち筋」はシンプル
インデックス投資は、基本的に次の3つを守れば勝率が上がります。
- 長期:時間を味方につける
- 分散:一つの不運で致命傷を負わない
- 積立:感情の入り込む余地を減らす
逆に言えば、負け筋もシンプルです。
- 怖くてやめる(売る・積立停止)
- 焦ってズレる(流行りの資産に飛びつく)
- 退屈に負けて動く(頻繁な乗り換え・売買)
ここからは「なぜそうなるのか」を、構造と心理の両面から見ていきます。
インデックス投資で多くの人が不安になる理由

インデックス投資って堅実なはずなのに、なんでこんなに不安になるの?
元本割れは「避けられない構造的リスク」
インデックス投資の最大の不安は、元本割れです。
インデックスファンドは分散投資により個別銘柄リスクを抑えますが、市場全体が下落する局面では必ず資産も下がります。「長期では回復する」と頭では分かっていても、評価額が減っていく数字を直視すると、人は冷静でいられません。
これは損失回避バイアスと呼ばれる、人間の本能的反応です。
特に厄介なのは、損失の痛みが“体感”として強すぎること。
同じ金額でも、
- 10万円増える「喜び」よりも
- 10万円減る「痛み」の方が大きく感じられます。
だからこそ、暴落局面では「正しい判断」が難しくなります。
理論と感情のギャップこそが、インデックス投資家の最大の敵です。
元本割れは異常ではなく、長期投資に必ず含まれる“通常運転”
短期で成果が出ないストレス



インデックス投資ってとってもお金増えるのね!簡単じゃん!
ここ数年(2025年12月時点)は、株価は右肩あがり。インデックス投資で成果が出ていない人は少ないかもしれません。
しかし、インデックス投資は、市場平均を着実に取りにいく戦略です。
私が投資を始めた当初(約10年前)は積み立てても積み立てても評価額が変わらない(実質マイナスだったということ。)状態が3~4年続きました。
本来、インデックス投資は、
- 短期間で資産が倍になる
- 一発逆転のようなリターン
は期待できません。さらに、数ヶ月〜1年くらいのスパンでは、
- 期待したほど増えない
- むしろマイナスという時期も普通に起こる
また、SNSで急騰株や成功談を見るたびに、
自分は取り残されているのでは?
という感情が芽生えます。
これはFOMO(乗り遅れ恐怖)と呼ばれる心理バイアスで、長期投資を壊す強力なトリガーです。
短期で勝負しない戦略なのに、短期で評価したくなるのが人間
低コストでも「放置=成功」ではない
インデックス投資は低コストが命。特に信託報酬は、長期の複利効果を確実に削る“見えないコスト”。
年0.1%と0.5%の差でも、20年・30年では資産額に大きな差が生まれます。
さらに、見落とされがちなポイントがあります。
- 口座(課税口座)での乗り換えは、利益確定=税負担が発生しやすい
- ちょこちょこ動かすほど、複利の“伸びる土台”が削られる
「なんとなく選んだファンド」「頻繁な乗り換え」…これらは知らないうちにリターンを蝕みます。
インデックス投資の敵は“派手な失敗”より“静かな損耗”
インデックス投資のよくある失敗例【3パターン】



結局みんな、どんなところでコケるんですか?(自分もやりそうで怖い…)
ここが本記事の核心です。インデックス投資の失敗は、だいたいこの3つに集約されます。
失敗①:暴落で売ってしまう(パニック売り)
最も多く、最も致命的な失敗です。
市場が急落すると、
これ以上下がる前に逃げたい!
という感情が一気に強まります。
しかしこの行動は、
- 安値で売却
- 回復局面を丸ごと逃す
という最悪の結果を招く可能性があります。
インデックス投資でよく行われるドルコスト平均法は、下落局面でこそ最も機能する仕組みです。積立停止や売却は、その恩恵を自ら捨てる行為に他なりません。
ポイント
よくあるQ:「暴落したら積立額を減らすのはアリ?」
- 家計が厳しくなった(収入減・支出増)なら、生活防衛を優先してOK
- ただし「怖いから減らす」は、意思決定が感情に支配されているサイン
“家計理由”と“相場理由”を分けて判断するだけで、失敗確率は大きく下がります。
失敗②:乗り遅れが怖くて高値掴み(FOMO)
相場が盛り上がると、合理的に考えている人ほど不安になります。
S&P500が連日のように最高値を更新したり、SNSで「◯ヶ月で資産が倍になった」といった投稿を目にすると、
このまま何もしないのは損?
という感情が自然と湧いてきます。
これは、周囲との比較情報に敏感になることで生じるFOMO(乗り遅れ恐怖)と呼ばれる心理状態です。
その結果、
- テーマ株
- 特定セクター
- 流行りの投資法
に一括投資してしまう。
これは長期戦略からの逸脱であり、相場の熱量に判断を委ねているため再現性のない失敗パターンです。
ポイント
よくあるQ:「インデックス+成長株を少し足すのもダメ?」
ダメではありません。ただし条件があります。
- 比率を決める(例:最大10%まで)
- ルールで買う(気分で増やさない)
- 下がっても生活に影響しない範囲に限定
戦略的な“少し足す”はOK。感情で“足してしまう”はNG。
失敗③:頻繁な乗り換え・最適化の罠
信託報酬0.01%の差、指数のわずかな違いにこだわりたい!
一見合理的に見えますが、
- 売却コスト
- 税金
- 判断疲れ
が積み重なり、長期リターンを削ります。
NISA口座で運用することを考えると、一番影響があるのは判断疲れでしょう。現在の超低コスト信託報酬は大勢に大きな影響を与えることはもはや少ないです。
- 常に「もっと良い商品があるのでは」と不安が増える
- 成績の比較が習慣化し、FOMOが加速する
インデックス投資の本質は「何もしない。」これを忘れてはいけません。
ポイント
よくあるQ:「信託報酬が下がったら乗り換えるべき?」
基本は大勢に影響しない場合がほとんどです。
乗り換える場合でも、
- 税金が出ない口座(非課税)
- コスト差が“意味のある差”
- 目的が明確
この条件を満たすときだけに絞ると、無駄打ちが激減します。
失敗しない人がやっている3つの防御策



失敗しない人って、メンタル鋼なの?それともコツがあるの?
長期・分散・積立は「感情対策」
これらは投資テクニックではなく、行動バイアスへの防御装置です。
- 長期:短期ノイズを無視する
- 分散:恐怖を分散する
- 積立:判断を自動化する
「自分はメンタルが強いから大丈夫」ではなく、メンタルが揺れても崩れない仕組みを持つことが重要です。
資金・時間・心理の「3つの余裕」
余裕がないと、人は必ず失敗します。
| 余裕 | 内容 | 防げる失敗 |
|---|---|---|
| 資金 | 生活費と投資資金を分離 | 強制売却 |
| 時間 | 15年以上の投資期間 | 短期比較 |
| 心理 | 下落を想定済みにする | パニック |
ここで大事なのは、「心理の余裕」は根性ではなく、準備で多少は作れること。
- 過去の暴落を知る(下落は起きる前提にする)
- 生活防衛資金を確保する
- 毎月の積立を“自動”にする
この3つだけでも、暴落時の行動は変わります。
情報を遮断する勇気
日々の指数チェックやSNSは、私の経験からして、百害あって一利なしです。
見るほど、
- 不安
- 焦り
- FOMO(乗り遅れが怖くて高値掴み)
が増幅します。
インデックス投資は、情報から距離を取れる人が勝つゲームです。
- 評価額チェック:月1回(または四半期1回)
- 経済ニュース:見てもOKだが、売買判断に使わない
- SNS:成功談は“広告”だと思って眺める
「知ること」と「動くこと」は別。
この線引きができると、一気に安定します。
不安になった時のチェックリスト(即効性あり)
不安が強い時ほど、人は正しい判断ができません。
そこで、行動を起こす前に“確認するだけ”のチェックリストを置いておきます。
- 生活防衛資金は確保できている?
- 積立は自動化できている?
- 今の不安は「相場理由」?それとも「家計理由」?
- 売りたいのは、損失が嫌だから?(=損失回避)
- 買い足したいのは、置いていかれそうだから?(=FOMO)
- 今日の判断を、1年後の自分も誇れる?
上記を確認するだけで、衝動売買の多くは止まります。
インデックス投資を続けた人に見える「次の選択肢」



インデックス投資を続けて資産が育ってきたら、次は何を考えればいいですか?
インデックス投資を続けていると、こんな悩みが出てきます。
- 資産は増えてきた
- でも売却はしたくない
- もっと資金効率を高めたい
この段階で、「株を売らずに活かす運用」という発想が重要になります。
例えば、
- 高配当でキャッシュフローを作る
- 債券や現金比率で安定性を上げる
- そしてもう一歩:資産を担保にして運用の幅を広げる
このブログでは、「高配当株ETF」や株式を担保にFXができる「代用FX」を紹介しています。
インデックス投資で築いた資産を土台に、リスク管理しながら運用の幅を広げる方法について、以下で詳しく解説しています。
※インデックス投資をやめる必要はありません。
あくまで「続けた人だけが検討できる選択肢」という位置付けです。
まとめ|インデックス投資は「忍耐力のゲーム」
インデックス投資で失敗する原因は、市場ではなく人間の心理です。
- 暴落で売らない
- 流行りに乗らない
- 余計なことをしない
この当たり前を続けられた人だけが、長期リターンを手にできます。
インデックス投資は地味ですが、続けた人の人生の選択肢を確実に増やす投資です。
不安になったら、ぜひこの記事に戻ってきてください。
追伸:この記事を読んでくれたあなたへ
もし今、
「自分は失敗しそうで怖い」と感じているなら、それは“正常”です。
怖いのは、あなたが真剣に資産形成をしている証拠。
大切なのは、怖さを無くすことではなく、
怖くても崩れない仕組みを作って続けることです。
その先に、
インデックス投資だけでは届かない選択肢(資金効率・運用の幅)が見えてきます。


