「FXは興味あるけど裁量は無理…」「スワップ運用は怖い…」という人ほど、最初に“ルール”が必要です。
この記事では、私が実際に運用している代用FXスワップ運用の戦略ルールを詳細に解説しています。
この記事は長いです。運用手順に特化した記事も別で用意しており、その記事だけでも期待するリターン、リスクは分かるようにしておりますので、簡単に知りたい方は運用手順に特化した記事をご覧ください。
では改めまして、この記事のゴールはこちらです。
代用FXスワップ運用の戦略ルールを整理
この記事で分かることはこちらです。
- 筆者の代用FX(株を担保にFX)スワップ運用の全体像と背景
- なぜスワップ運用で「裁量なし」が重要か
- 期待利回りの考え方、最大DDの目安の捉え方
- 代用FXスワップ運用の詳細なルール
ぜひ記事を最後まで読んで、自分専用の運用を考えるきっかけにしていただければ幸いです。
先に記事を投稿しましたが、筆者自身は令和8年1月から正式に運用予定の内容です。
代用FX×スワップ運用とは
代用FXの仕組み
このスワップ運用は、代用FXでの運用を前提としています。
通常のFXは現金を担保に行いますが、代用FXとは、現金に加えて、株式(ETFや一部投信を含む。)を担保にFXができる(FX口座の証拠金として扱うことができる)サービスです。

例えば、「株を100万円分」持っている場合、70%の「70万円分が証拠金」(FXとして利用できる金額)となります。既に保有している資産(株式等)を担保にするため、新たに多額の現金を用意する必要がありません。
ただし、担保(株価)は変動します。
株が下がれば証拠金も減るので、運用にはリスク管理が必要です。

通常のFXとの違い(メリットと注意点)
株の「配当」「株主優待」「値上がり益」を狙っていた資産をそのままに、別の資産運用(FX)を追加できるという点が最大の魅力です。

ただし注意点も明確で、
- FX側の含み損
- 担保株の下落
が同時に起きると、維持率は急速に悪化します。
つまり、代用FXは「便利」で「資金効率」を上げてくれますが、同時に守り(ルール)を作らないと事故率も上がるのが特徴です。
なぜ「スワップ運用」と相性がいいのか
スワップ運用は、短期売買よりも「保有期間を長く取り、日々の受け取りを積み上げる」性質があります。
スワップとは
スワップは、FXで「金利の高い通貨を買い、低い通貨を売る」と発生する“金利差の受け払い”です。プラスなら受け取り、マイナスなら支払いとなります。株の配当というより、外貨預金や債券の利息に近いイメージ。
例えば、メキシコペソ円は高金利通貨ペアとして有名です。
10,000通貨(為替レート約8.7円×10000=87,000円)あたり、
14円/日のスワップがもらえます。
いわゆる低レバ(1~2倍のレバレッジ)であっても、
年利回りは、
- レバレッジ1倍で5.8%、
- レバレッジ2倍で11.6%です。
(2025年12月時点でDMM FXの場合)
インデックス投資家、株式投資家からすれば異次元の利回りです。
このとき、
- 株を担保にして証拠金を厚くでき、
- 毎日小さな利益(スワップ)を積み上げる。
という組み合わせは相性が良いです。
特にDMM FXにおいては、
- 得られたスワップをすぐに現金化(スワップ振替)でき、
- そのまま株式・投資信託の購入に充てる
- または出金して運用とは別の用途に利用できる
からです。
ただし、スワップ運用において注意すべきことが2点あります。
- スワップは日々上下に変動し、いつまでもこの水準ではない。
- スワップよりも、為替の価格変動(含み損益)の方が大きくなりやすい
- 「いつ買い増すか/いつ利確するか」が曖昧になりやい
だからこそ、ポジションを取り過ぎたり、危険信号が灯っているにも関わらず対応しないといった裁量を排除し、守りを自動化する設計が必要となります。
まずは口座だけ用意しておくと、画面を見ながらできるので理解が進みます。
代用FXの使い勝手がよく、スワップが良好なのはDMM FX一択です。
代用FX×スワップ運用戦略が狙うもの(裁量を排除して継続)
まず結論:この戦略は“利回り最大化”より“継続確率の最大化”
スワップ運用は、短期で当てにいく投資ではありません。
特にFX初心者においては、
感情的な判断で崩れずに、下手な裁量を入れずに、
長く続けられた人が勝つ構造です。
そこで本記事の戦略は、次の3つを最優先に設計しています。
- 判断回数を減らす
×チャートに張り付く
○毎営業日09:10の1回/月初だけ確認 - 迷いを消す
×ポジション量で悩む
○資金に応じたポジション量・通貨ペア比率固定 - 往復ビンタを減らす
×縮小再開で悩む
○厳格な維持率・担保条件
簡単に:資金設計(1セット60万円:現金+担保株)
詳しくは後述しますが、ここで簡単に資金設計を紹介します。

1セットを次のように固定します。
- 使用する口座:DMM FX
- 現金:10万円
- 担保株:50万円
(70%の35万円がFX証拠金として利用可能) - 証拠金合計:45万円
- 現金10万円
- 代用株の証拠金35万円
国内FXは最大レバレッジ25倍ですが、ここでの運用ルールはレバ1倍~2倍程度としています。
どちらを利用するかの目安は次のとおりです。
- レバ1
- ポジションを約45万円分まで持つ。
- 値動きに耐えやすい。
- 運用に慣れるのに向く。
- レバ2
- ポジションを約90万円分まで持つ。
- 収益は上がりやすいが、縮小が入りやすい。
- ルール運用に慣れてから。
運用する通貨ペアは次の2通貨ペアです。
MXN/JPYとZAR/JPYを2:1で保有します。
- MXN/JPY=67%:主力(比較的安定しやすい高金利枠)
- ZAR/JPY=33%:補助(変動はあるがスワップ枠として定番)
代用FX×スワップ運用戦略の期待する結果
今回の代用FXスワップ運用戦略で期待する結果(株式投資への上乗せ部分)は、次のとおりです。


- (現行スワップ前提)レバ1で年+4%台が目安(レバ2は+9%台)
- ただし、下落局面では実質利回りがマイナスになり得るため、厳格な維持率ルールで生存率(継続確率)を上げる。
ポイント
上記の利回りの目安は、現金10万円+担保株50万円から求めたものです。
株式は元々保有している、新たに用意した現金10万円に対する利回りで考えると、
驚異の27%(レバレッジ1倍の場合)となります。
維持率とは
証拠金維持率のこと。
口座資産(有効証拠金)が、必要証拠金(保有ポジション維持に必要なお金)の何%あるか“安全度を示すメーター”。相場が逆に動くと有効証拠金が減って維持率が下がり、一定水準を割ると追証や強制ロスカットの対象になる。(株でいう“含み損で余力が削られる”のと同じ感覚)。
期待利回りの算出方法
前提として、スワップは日々変動します。
したがって、本来利回りは「固定値」ではなく、レンジ(幅)で捉えるべきです。
しかし、それでは運用が有効か判断できないため、
この戦略での利回りの目安はシンプルに次のように算出しています。
- 1日あたり受取スワップ(円)× 365日
= 年間スワップ(円) - 年間スワップ(円)÷1セット60万円
= 年利回り(%)
ただし、現実はここに
- 為替の上下(含み損益)
- 運用縮小(50%)によるスワップ減
- スワップの変動
を考慮する必要があります。
要は、本来スワップ益だけで利回りを断定すべきではないことに留意しましょう。
この戦略の期待利回りの算出
この戦略の運用資金(1セット60万円)に対しての、期待利回りの目安を算出します。
DMM FXが公開している例(MXN=8.7円/13円、ZAR=9.4円/12円:いずれも1Lot=1万通貨あたりの買スワップ)を使って、期待利回りを算出します。
1Lot=1万通貨とは
Lot(ロット) は「取引量(通貨の単位)」のことです。
一般的に 1Lot=1万通貨(例:USD/JPYなら1万ドル、MXN/JPYなら1万ペソ)として扱われ、Lot数が増えるほど値動き・スワップ・必要証拠金も比例して大きくなります。
まずは1日当たり受け取ることができるスワップの目安がこちらです。
| 通貨 | 比率 | 想定レート(円) | 買スワップ/日(1Lot) | 目標Lot | スワップ/日 |
|---|---|---|---|---|---|
| MXN/JPY | 67% | 8.7 | 13円 | 4 | 52円 |
| ZAR/JPY | 33% | 9.4 | 12円 | 2 | 24円 |
- スワップとレートは日々変動します(上表の参照日:2025/12/31)。最終判断は「当日の数値」で行う必要があります。
- 合計スワップ(概算)
- 1日:約76円
- 1年:約27,740円
- 年利(スワップのみ/為替変動±0仮定)
- 約+4.6%(対60万円←現金+株式)
- 約+27.7%(対10万円←現金のみ)
上記はレバレッジ1倍の場合です。
レバレッジ2倍の場合は次のようになります。
- Lot数・スワップは概ね2倍(比率固定のまま、同じ計算)。
- 合計スワップ(概算)
- 1日:約152円
- 1年:約55,480円
- 年利(スワップのみ/為替変動±0仮定)
- 約+9.2%(対60万円←現金+株式)
- 約+55.4%(対10万円←現金のみ)
重要なのは、ここで出している利回りは「スワップだけ」を見た理論値です。
実際には為替変動で含み損益が生じます。
次から“実質利回り”を見ていきます。
最大DDの目安と実質利回り
利回りだけを見ると
スワップ運用は非常に魅力的に見えます。
しかし現実は甘くありません。
- 含み損(DD)が出る
- 縮小するとスワップが減る
- 場合によっては撤退する必要がある
ことも起こります。
ここで大事なのが「実質利回り」。
ここでは、縮小や撤退を抜きにした想定する含み損を確認しておきましょう。
実質利回りの簡易シミュレーション
含み損益を加味した金額が直感的に分かるように次のケースで見ていきます。
- 保有期間:1年
- スワップ:MXN=13円、ZAR=12円
- 為替変動:USD/JPYが±x%動いたとき、次の変動とする。(高金利通貨は変動が大きいため)
- MXN/JPY:±1.5x%
- ZAR/JPY:±1.8x%
この運用の想定変動率(加重)
- この運用の想定変動率(加重)= x% × (1.5×67% + 1.8×33%)
- = x% × 1.60
つまり、USD/JPYが-10%なら、この運用の想定変動は -16.0% です。
(参考)過去20年(2005-12-19〜2025-12-19)の終値での最大DD
この変動率については、下記のデータを参考にした上で設定しました。
数年単位での最大DDでも次の変動率です。
| 通貨ペア(対円) | 最大DD(%) | 最大DD(円幅) | 最大DD(%)_USDJPY=1 | ピーク日→ボトム日 | ピーク→ボトム(値) |
|---|---|---|---|---|---|
| USDJPY | -38.79% | 48.04円 | 1.00 | 2007-06-22 → 2011-10-28 | 123.86 → 75.82 |
| MXNJPY | -62.76% | 7.22円 | 1.62 | 2007-06-19 → 2020-04-24 | 11.512 → 4.28754 |
| ZARJPY | -71.35% | 14.03円 | 1.84 | 2006-04-19 → 2020-04-24 | 19.6636 → 5.63380 |
これを念頭にUSD/JPYが-30%~+30%動いた時の実質利回りを見てみましょう。
(この運用ルールでは縮小・撤退がありますが、ここではどのくらい動くかの確認のため、一旦無視します。)
| USD/JPY変動率 | 想定変動率 | 含み損益 | スワップ(年) | 実質損益 | 実質利回り(対60万) |
|---|---|---|---|---|---|
| -30% | -48.0% | -288,000円 | 27,740円 | -260,260円 | -43.4% |
| -20% | -32.0% | -192,000円 | 27,740円 | -164,260円 | -27.4% |
| -10% | -16.0% | -96,000円 | 27,740円 | -68,260円 | -11.4% |
| +0% | 0.0% | 0円 | 27,740円 | 27,740円 | +4.6% |
| +10% | +16.0% | 96,000円 | 27,740円 | 123,740円 | +20.6% |
| +20% | +32.0% | 192,000円 | 27,740円 | 219,740円 | +36.6% |
| +30% | +48.0% | 288,000円 | 27,740円 | 315,740円 | +52.6% |
- この単純モデルでの最大DD(-30%シナリオ)は、レバ1で約-26万円、レバ2で約-52万円の含み損益。
- 大きい金額になってしまうからこそ、本戦略では「縮小・撤退」を“裁量なし”で入れる。
この表を見ると、為替レートが上振れしたときの利益も相当なものですが、
下振れした時の損失に抵抗がある人が多いと思います。
運用ルールでは縮小・撤退を設けているため、ここまでいくことはありません。
それでも、こんな損失は耐えがたいという方がほとんどだと思います。
しかし、3年間この状態が続き、
それまでに受け取ったスワップを加味した実質利回りを見ると、少し見え方が変わってきます。
| USD/JPY変動率 | 想定変動率 | 含み損益 | スワップ(3年累計) | 実質損益(3年) | 実質利回り(対60万) |
|---|---|---|---|---|---|
| -30% | -48.0% | -288,000円 | 83,220円 | -204,780円 | -34.1% |
| -20% | -32.0% | -192,000円 | 83,220円 | -108,780円 | -18.1% |
| -10% | -16.0% | -96,000円 | 83,220円 | -12,780円 | -2.1% |
| +0% | 0.0% | 0円 | 83,220円 | 83,220円 | +13.9% |
| +10% | +16.0% | 96,000円 | 83,220円 | 179,220円 | +29.9% |
| +20% | +32.0% | 192,000円 | 83,220円 | 275,220円 | +45.9% |
| +30% | +48.0% | 288,000円 | 83,220円 | 371,220円 | +61.9% |
3年間継続できれば、USD/JPY変動率=-10%でも実質利回りは-2.1%まで軽減され、もう一年もすればプラス想定です。長く続けられた人が勝つ構造という意味が分かるかと思います。
また、先に述べたように、
上記は現金10万円+株式50万円に対する利回りです。
株式は元々保有していると考え、
新たに用意した現金10万円に対する利回りと考えると
圧倒的にプラスであることは言うまでもありません。
もちろん、
上記の変動率で収まる、スワップが継続される保証はどこにもありません。
リスクリターンはどこまでいってもトレードオフの関係にあり、簡単に儲かる話はないと筆者は考えています。
それでも、スワップ運用は「こんな感じ」という感覚がつかめることが重要です。
代用FX×スワップ運用戦略(詳細)
期待するリターンやリスクをある程度把握できたところで、この代用FX×スワップ運用戦略の詳細を見ていきます。(画像は再掲)

資金設計(1セット60万円:現金+担保株)
1セットの前提はシンプルに固定しています。
- 現金:10万円
- 担保株:50万円(掛目70%→35万円が反映)
- 合計:45万円(運用の基準)
現金10万円を入れておく理由
DMM FXの代用FXにおいて、
全く現金を使わない運用もできるにはできますが、
ここで現金10万円を入れておくのは、
- 評価損のブレ
- スプレッド拡大や約定ズレ
- 想定外の調整
などの“事故”を吸収するためのクッションのためです。
レバレッジ1倍 or 2倍
レバレッジ1倍でいくか、2倍でいくかは、人により求めるリターン、リスクへの耐性によって決める必要があります。次を参考に決定しましょう。
- レバ1
- ポジションを約45万円分まで持つ。
- 値動きに耐えやすい。
- 運用に慣れるのに向く。
- レバ2
- ポジションを約90万円分まで持つ。
- 収益は上がりやすいが、縮小が入りやすい。
- ルール運用に慣れてから。
レバレッジの途中変更について
運用期間中、裁量的にレバレッジを変更するのはおススメしません。
相場の良い時だけリスクを取り、悪い時に戻せなくなる可能性があります。
(慣れるまで1倍、慣れてから2倍という計画的なものはおすすめです。)
通貨ペアと役割(MXN/ZARの位置づけ)
運用する通貨ペアは次の2通貨ペアです。
MXN/JPYとZAR/JPYを2:1で保有します。
- MXN/JPY=67%:主力(比較的安定しやすい高金利枠)
- ZAR/JPY=33%:補助(変動はあるがスワップ枠として定番)
レバレッジ1倍の場合は45万円を、レバレッジ2倍の場合は90万円を上記の割合で振り分けたポジション数だけ保有します。
注意点としては、1セットだとポジション量(Lot数)が多くないため、正確に比率を固定することが困難な点が挙げられます。セット数が多いほど比率が理想に近づきます。
比率を固定する理由
- リスクが可視化される
- ロット迷子にならない
- 縮小・再開の判断がブレない
運用ルールの概要・言葉の定義
運用ルールの概要
運用ルールは、「毎日ルール」「月初ルール」の2つあります。
| 毎日ルール | 月初ルール |
|---|---|
| ●通常時は「維持」でほぼすることなし (月初はリバランス) ●証拠金維持率が低いときに 「縮小」又は「撤退」を判定・実行 | ●証拠金維持率が低いときに 「縮小」から「維持」への再開を判定・実行 |
言葉の定義
ここから少し内容が難しくなってきます。
運用ルールで用いる言葉を整理しておきます。
| 定義 | 内容 | 詳細 |
|---|---|---|
| C | 口座現金 | FX口座にある現金 |
| S | 代用証券評価額 | 担保にできる株式評価額(70%を掛けた後) |
| R | 必要証拠金 | FXのポジションをとるのに必要な証拠金額 |
| M | ストレス維持率 | この記事での造語。一般的なFXの証拠金維持率を厳しくしたもの。 |
FXにおいて、一般的に証拠金維持率は次のように表されます。
[証拠金維持率]=[現金]÷[必要証拠金]×100
代用FXにおいては、次のようになります。
[証拠金維持率]=([現金]+[代用証券評価額])÷[必要証拠金]×100
この運用ルールでは、安全を重視して担保株の株価の10%下落を考慮して、代用証券評価額を90%で見積もることにします。
M[ストレス維持率]= (C[現金]+0.9 S[代用証券評価額])÷ R[必要証拠金] × 100

毎日ルール(09:10にこれだけ)
「毎日ルール」、「月初ルール」、言葉の整理をしたところで、「毎日ルール」を見ていきましょう。

安全装置の考え方(縮小・撤退)
ここがこの代用FXスワップ運用戦略の“核”です。
相場が荒れたときでも、感情で判断せず、適切な縮小・勇気ある撤退を行う必要があります。
毎日、先ほどのストレス維持率を算出して、
M[ストレス維持率]= (C[現金]+0.9 S[代用証券評価額])÷ R[必要証拠金] × 100
に対して次の判定を行います。(計算は簡単ツールを用意しています。)
| 判定 | ステージ | 実行内容 |
|---|---|---|
| M ≥ 250% | 維持(100%) | 月初以外:売買なし 月初:リバランス(※) |
| 180% ≤ M < 250% | 縮小(50%) | ポジション50%へ |
| M < 180% | 撤退(0%) | 全決済 |
リバランスの意義
「月初時点でステージ=維持(100%)」又は「再開判定で復元(後述)」する場合、
元の比率(MXN/JPY=67%、ZAR/JPY=33%)に戻すようリバランスを行います。
スワップ運用は「いつ買い増すか/いつ利確するか」が曖昧になりやすく、判断を誤ると運用が失敗する可能性が高くなります。
この戦略では、毎日09:10の維持率チェックと月初リバランスという“固定ルール”で、買い増しと利確のタイミングを機械的に決めます。ルールに従ってポジション量を調整するため、裁量ナンピンや感情的な利確を防ぐことができます。
- 下がったときは取得単価をならし、
- 上がりすぎたときは一部利確して偏りを戻すことで、
- スワップ収益を狙いながらリスクも抑えやすい設計です。
毎日ルール実行手順
毎日ルールの実行手順は次のとおりです。
- 毎営業日09:10に
- 現金残高 (C)
- 代用証券評価額 (S)
- 必要証拠金 (R)を確認して
- ストレス維持率 (M)を計算
- Mで判定したステージに従い、
- 維持(100%):
(月初以外)その日は何もしない。
(月初)比率が合うようにリバランス。 - 縮小(50%):
ポジション50%になるよう一部決済。 - 撤退(0%):
ポジションを全決済し、撤退。
- 維持(100%):
- その後は触らない(次は明日09:10)
月初ルール(再開判定)
月初ルールは、先月のステージが維持(50%)の状態のときのみ、再開判定を行います。
実施日は、毎月 第1国内株式営業日 09:10とします。

縮小して再開(ポジションを50%→100%)、再開後すぐに縮小(100%→50%)という事態は避ける必要があり、
再開の判定は、相場のトレンドがきちんと切り替わってからが理想です。
そこで、縮小時の条件は、
M[ストレス維持率]= (C[現金]+0.9 S[代用証券評価額])÷ R[必要証拠金] × 100
< 250%の時に縮小としていますが、
安全条件:M[ストレス維持率] ≥ 300%
(R[必要証拠金]はポジション復元後の必要証拠金)
で再開のハードルを上げることとしています。
そして、さらに株式側の担保についても条件を加えます。(維持率が低いときは、為替だけでなく、株式が軟調である状況も容易に想定されるため)
担保条件:
S[代用証券評価額] ≥ 0.90×Sref
↑ 今の代用証券評価額≧基準とする代用証券評価額×90%
Sref=MAX( 前回Sref , S )
↑ 基準とする代用証券評価額は、前回用いた Sref と 現在S の大きい方とする。 ただし、毎年1月にSrefはリセットする。 (年中は Srefが株価の“最高値”に張り付くため、下落に厳しくあえて再開しづらい構造)
ここ、たぶんワケが分からないと思います。
再開するためには、FX側のポジションの状態が良くなるだけでなく、
株式側の状態も良くなっていないと再開しないという内容です。
(専用ツールでは、基本項目を入力すれば自動算出できるようにしています。)
理解しておかないと始めることなんてできない!という方も大勢いらっしゃると思うので、下記に具体例を示しています。
S と Sref の関係(具体例)
① 開始時:1,000万円でスタート
開始時:1,000万円
S = 1,000万円 → Sref = 1,000万円
担保条件:
S ≥ 0.90×Sref
= 0.90×1,000 = 900万円
→ いま S=1,000万円 なので OK
② その後:株価が上がった
4月:S = 1,200万円
Sref = MAX(前回Sref(1,000), S(1,200)) = 1,200万円
担保条件:
S ≥ 0.90×Sref
= 0.90×1,200 = 1,080万円
→いま S=1,200万円 なので OK
③ その後:株価が下がった
8月:S = 1,050万円
Sref = MAX(前回Sref(1,200), S(1,050)) = 1,200万円
(基準は下がらない)
担保条件:
S ≥ 0.90×Sref
= 0.90×1,200 = 1,080万円
→いま S=1,050万円 なので NG
このときの「許容下落幅」は、Sref(1,200万円)から -10% まで。
1,200万円 × 0.90 = 1,080万円 を下回ると再開しないという意味。
④ 翌年1月:年1回リセットで仕切り直し
翌年1月の月初 09:10(リセット時点):S = 1,050万円
S = 1,050万円 → Sref = 1,050万円(年1回リセット)
担保条件:
S ≥ 0.90×Sref
= 0.90×1,050 = 945万円
→ いま S=1,050万円 なので OK(復活)
月1回(月初)にこの安全条件、担保条件をどちらもクリアした場合に初めて、縮小(50%)から維持(100%)のポジション量に復活、売買することにしています。
禁止事項
この代用FXスワップ運用戦略は、スワップ運用において難しいとされるポジション数の調整や、撤退のタイミングを完全に固定することにより、裁量を排除し、長く続ける=勝つことを主眼にしています。
- 日中の売買(09:10以外は触らない)
- 指値・裁量ナンピン・裁量利確
- 株高で総建玉上限 (T)を増やす(レバは固定)
上記の内容は、メンタルを削り、代用FXスワップ運用戦略を危険な状態に追い込む可能性が強くなるため禁止事項としています。
実行は専用ツールだけ(運用記事で詳細に)
今回の記事では、戦略について詳細に解説しています。
実際に運用する際には、このルールを実行しやすいように専用のツールを用意しています。
基本項目を入力するだけで、
- 維持/縮小/撤退判定
- リバランスで売買すべきLot数の算出
- 縮小→維持への再開判定
これらが、自動で表示されるようになっています。
代用FX×スワップ運用戦略のリスク
今回の代用FXスワップ運用戦略においては、通常の株式投資におけるリスク、FXでのスワップ運用のリスクが伴います。
- 為替下落(含み損の膨張)
スワップ運用の最大の敵は、スワップ以上の為替下落です。
含み損が膨らむと、維持率は急速に悪化し、基本的にはスワップよりも為替変動の損益が大きく影響します。 - 担保株下落(証拠金の低下)
代用FXでは、担保株が下がると証拠金も減ります。
FX側の含み損と同時に起きると厳しいため、M(ストレス維持率)で保守的に見積もり、運用を行います。 - スワップの変動(将来も今と同じとは限らない)
高金利通貨の状況、政策金利、業者の付与方針でスワップは変わります。
「今の利回りが永遠に続く」と考えるのは危険です。 - 「高金利通貨=安全」ではない理由
高金利通貨は理由があってのスワップ益であり、多くはリスクの裏返しです。
だからこそ比率を固定し、縮小・撤退・再開をルールに組み込みます。
スワップ運用は万能の投資ではありません。
リスク・リターンを把握した上で運用しなければなりません。
また、いざという時には撤退する勇気も必要となることを忘れてはなりません。
よくある質問
まとめ
- スワップ運用をしながらスワップ益で株式・投信が買える
- 代用FX×スワップ運用は相性が良い一方、守り(ルール)がないと事故率が上がる
- 本戦略は「利回り最大化」ではなく、裁量を排除して「継続確率を最大化」
- 運用ルールの核はこれだけ
- 毎日ルール(毎営業日09:10の1回だけ)/月初ルール
- 維持/縮小/撤退/再開判定を厳格に
次の記事では、今回の運用ルールを実践する方法(専用ツールの使い方)に特化して紹介します。
▶実践方法を紹介した記事はこちら:専用ツールを使った実践方法を確認する。
▶専用ツールはこちら:専用ツールで代用FXスワップ運用を簡単に実践する。
具体的に見ていきたいという方は、口座の準備もしておきましょう。
まだの方はこちらから口座開設していただける非常に励みになります。


