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株式を担保にする「代用FX」の潜在的リスクを理解し、安全な運用設計を探る。
代用FXは、一般的なFXで利用する現金に加えて、保有している株式や投資信託をFX(外国為替証拠金取引)の証拠金(担保)として利用できるサービスです。 この仕組みにより、投資家は以下のようなメリットを享受できます。
株式を売却する必要がないため、「株価の値上がり」を期待しながら、その株式を担保にして「FX取引」を同時に行うことができます。投資機会を二重に活かせる可能性があります。また、株式の売却もこれまでどおり行うことができます。
担保に入れている株式であっても、保有者に変わりはありません。通常どおり、配当金や株主優待を受け取ることができます。
ただし、株式の時価がそのまま証拠金になるわけではありません。通常、FX会社はリスクを考慮し、時価に一定の「掛け目(評価率)」を乗じて証拠金額を算出します。
この「評価額」と「現金証拠金」の合計が、あなたの取引余力となります。しかし、この「株式評価額」が変動することが、代用FX特有のリスクを生み出します。
代用FXの最も恐ろしいシナリオは、市場全体がリスクオフ(投資家がリスク回避姿勢を強める)になった際に発生します。 リスクオフ局面では、「株価の下落」と「円高(クロス円の下落)」が同時に進行することが多くあります。
市場全体のリスクオフにより、担保にしている「日本株」の株価が下落します。
これにより、あなたの「FX証拠金としての評価額」が目減りし、証拠金維持率が低下します。
リスクオフ局面では、相対的に安全とされる「円」が買われやすくなります。
これにより、「ドル/円」などの円建て通貨ペアの為替レートが下落し、買いポジションの含み損が急速に拡大します。
担保価値の減少 + FXの含み損 = 破滅的な証拠金維持率の悪化
(イメージ図)リスクオフ局面では、株価(青線)とクロス円(赤線)が同時に下落(円高)する傾向があります。
「株価の下落」と「為替レートの下落」が、証拠金維持率にどれほど深刻な影響を与えるかシミュレーションしてみましょう。 維持率が100%(またはFX会社の規定値)を下回ると、強制ロスカットが執行されます。
代用FXは資金効率を高める強力なツールですが、リスク管理を怠ると破綻につながります。以下の「四つの鉄則・安全策」を徹底し、二重下落リスクに耐えうる安全設計を構築してください。
FX会社が定める維持率を下回ると、強制的にポジションが決済されます(ロスカット)。これは投資家を保護するためですが、代用FXでは担保株の売却も伴う可能性があります。
また、ロスカットが執行される前に、証拠金の追加差し入れを求められるのが追証(マージンコール)です。追証が発生した場合、決められた期日までに現金を入金しなければ、やはり強制決済の対象となります。
特に週末や祝日を挟むと、株価や為替が急変し、週明けにロスカット・追証が発生するリスクが高まるため、ポジション管理は厳重に行ってください。
FXのレバレッジは最大25倍ですが、代用FXでは株価の下落が証拠金を直撃するため、実質レバレッジは非常に高くなりがちです。 強制ロスカットラインを遥かに超える800%の維持率を個人的には推奨しています。シミュレーターで、株価30%下落、為替5円下落などの「ダブルリスクオフ」を仮定し、維持率が自身の安全圏内(例えば500%など)を割り込まないか確認するストレステストが不可欠です。
安全策1よりもさらに安全な運用を行いたいのであれば、代用FXのポジション量は、「現金証拠金のみ」でも維持可能な範囲に抑え、代用株による証拠金は純粋な「バッファー(緩衝材)」として機能し、株価が急落しても、FXポジションの維持に直接的な影響は及びません。 ただし、この方法は資金効率を大きく制限するため、少し安全過ぎるとも言え、リスクとリターンのバランスを検討する必要があります。 なお、代用株の評価益を目当てにFX取引量を増やす行為は、二重のリスクを負うことになり危険です。